私は1951年の生まれです。子供のころから自動車が好きで、小学3年生の時から東京の晴海埠頭で開かれていた自動車ショーに毎年行っていました。たくさんあるメーカーの中では特に日産が好きで、その流れで日産自動車に就職しました。1974年のことです。
日産では現場カイゼンをする部署に配属となり、円満退職するまでの18年間ずっとカイゼンにかかわる仕事をしました。当時の日産自動車のカイゼン活動は、トヨタ自動車(当時はトヨタ自動車工業)のトヨタ生産方式のようなシステマチックなトップダウンの活動ではなく、生産現場の人たちと一緒にアイデアを出してカイゼンを実行して生産性を上げるボトムアップの活動が多かったのです。私は現場で皆が一緒になって一つのことを成し遂げる仕事のやり方が大好きで、一生の仕事にしたいと思うようになりました。
しかし管理職となり次第に現場から離れた仕事が増えてきたため、1991年に日産自動車を退職しカイゼンコンサルタントとして独立して仕事を始めました。はやいもので、30年が経ち、これまで400を超える会社の指導をして参りました。
私のコンサルティングのスタンスは、皆で一緒に現場カイゼンを行うことを通じて会社全体の問題を把握して、全員の協力の下で全体最適のカイゼンを実行して経営を変えていくものです。それぞれの人が持つ知識と経験を生かしたカイゼンの実行を通じて、自分の能力を高め、考える力を身に付けてもらいます。
経営者の示す戦略を共有して、全員参加のボトムアップの力で経営効率を向上させるという、日本でしかできない現場カイゼンをベースとした経営改革を行います。
経歴
Career
柿内 幸夫
株式会社柿内幸夫技術士事務所 所長一般社団法人日本カイゼンプロジェクト 会長
書籍
過去の改善活動
カイゼン4.0 - スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす -
米スタンフォード大学大学院で最新のIE(経営工学)を学んだのち、約400社にのぼる企業の改善活動に関わり、一般社団法人日本カイゼンプロジェクトの会長を務める著者が教える、新時代の「カイゼン4.0」。
従来の「改善」が目標としていた作業効率や品質の向上、リードタイムの短縮のみならず、新商品、新事業、新サービス、新市場の創出に「カイゼン」が欠かせないことを豊富な成功事例とともに紹介します。家庭生活に応用できる「カイゼン」手法も掲載。
ちょこっと改善が企業を変える: 大きな変革を実現する42のヒント
改善とは何をどうすることなのでしょうか。本書では、どんなことでも、どんなやり方でもいいから、身の回りでやりにくく感じたり、困ったりしたことを自分たちの力で、知恵を使って、みんなで「変え続けていく」ことだと定義しています。
そして提案するのが「チョコ案制度」です。ちょっとした改善アイデアをみんなで実行して、それを簡単に用紙に書いて報告するから「チョコ案」です。これまでの堅苦しい提案制度と違い気楽で気軽な方法ですが、“みんなが”“ずっと”取り組むことで、びっくりするほど大きな成果をもたらします。
だれもが本来的に持っている改善についての潜在能力が引き出され、それが会社から認められるので、会社のなかに居場所もでき、やりがいも働きがいも生まれます。
私たち一人ひとりの行動は微々たるものでも、全員がずっとやり続ければ、必ず大きな変化を起こせます。まずはやってみましょう。やれば結果はすぐにわかります。正しかったらさらに前進。間違ったら元に戻せばいいだけです。元に戻したとしても、そのプロセスに必ず学びがあります。
儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉
儲かるメーカー指導No.1コンサルタント 柿内幸夫が、35年におよぶ〈改善実務ノウハウ〉を一冊に集約! 初心者からベテランまで学べるように、基本中の基本改善から、会社の体質までも変える上級レベルの改善まで、難易度別に“ここがポイント"という急所を、ズバリ解説した〈改善・虎の巻〉
“KZ法"工場改善DVD付
社長が率先して行なう、たった3時間の改善活動で会社がみるみる変わる! 従来の改善手法の行き詰まりに風穴をあける全社的改善《KZ法》導入のやり方を、2時間に及ぶ3社実施ドキュメンタリー映像とともにわかりやすく解説。中小メーカー社長必読の書。
現場のコトバ―シツケができる!ダンドリ上手になる!カイゼンが進む!ほめて進める人づくり、モノづくり
本書では、著者がコンサルタントとして長年の間さまざまな現場でさまざまな指導をしてきた中で「これはお役に立てた!」「このコトバは効く!」というものを集めてみました。
見えないムダをなくす現場改善入門 (実務入門シリーズ)
改善したいところが見えてくる。すぐできる。改善でいちばん大事な「ものの見方」が82項目の具体策とともにしっかり身につく。
図解でわかる生産の実務 現場改善
ものづくりの原点に戻り、5S、流れ生産など生産現場のあるべき姿を見直すために、「改善」で一番大事な「ものの見方」を具体策を通して紹介し、「改善」のテクニックを丁寧に解説する。